【香川県・善通寺】知られざる“古墳のまち”を歩く。善通寺古墳めぐり4選

こんにちは、レペゼン香川編集部です

今回ご紹介するのは善通寺市内に残る個性豊かな古墳をめぐる“お手軽歴史トリップ旅”

「善通寺=お寺のまち」というイメージが強いかもしれませんが、実はここ、四国屈指の古墳密集地帯でもあるってご存じですか?

国指定史跡の王墓山古墳をはじめ、町の中には前方後円墳や円墳、石室が露出した古墳まで、まるで歴史のテーマパークのように点在しています。

今回は、そんな善通寺の“もうひとつの顔”を体感する、気軽で楽しい古墳めぐりプランをご紹介。

地元の空気と歴史のロマンを感じながら、のんびり歩いてみませんか?

目次

善通寺市立郷土館

古墳めぐりの出発点は、ZENキューブ(善通寺市観光交流センター)内にある善通寺市立郷土館

ここでは、善通寺市にある国指定史跡有岡古墳群の出土品をはじめ、善通寺市内出土の考古資料・民俗資料など約1000点を展示しています。

予備知識ゼロでも楽しめる展示が多く、「古墳ってこういうものなんだ」と学んでから現地に向かうと、理解がぐっと深まるのもポイントです。

出土した埴輪や土器、装飾品を見ることで、これから訪れる古墳がよりリアルに感じられます。

所在地香川県善通寺市善通寺町6-1-4(ZENキューブ2階)
アクセスJR善通寺駅より徒歩約15分
開館時間10:00~16:00
休館日毎週月・木曜日、年末年始など
(臨時休館の場合もあるので、事前にご確認ください)
入館料無料

王墓山古墳

善通寺市立郷土館から自転車で5分ほど、田園地帯の中に堂々と佇むのが王墓山古墳(おうはかやまこふん)

全長約46メートルの前方後円墳で、有岡古墳群の中核に位置し、国指定史跡にもなっています。

古墳時代後期(6世紀前半)の築造とされ、石室からは、金銅製冠帽・銀象嵌の鉄刀・馬具・鉄製武器・管玉など多彩な副葬品が出土しており、豪族クラスの被葬者であったことがうかがえます。

墳丘に登ることもでき、上からはのどかな田園風景を一望でき、1400年前の王の眠りに想いを馳せながら、ゆっくりと風を感じられる場所です。

所在地善通寺市善通寺町1785‑1(善通寺・大野原線沿い)
アクセス善通寺市立郷土館から自転車で5分

宮が尾古墳

王墓山古墳から南へ自転車で約7分。住宅街の一角にひっそりとたたずむのが宮が尾古墳(みやがおこふん)です。

こちらは直径約20メートル、高さ約4メートルの円墳で、周囲には環状の溝(周溝)を備えた構造となっています。

古墳時代後期(7世紀初頭)のものとされ、小規模ながらきれいに墳丘が残された貴重な遺構です。

埋葬施設は南向きに開口する両袖型の横穴式石室で、石室には面に線刻で描かれた壁画が残されています。

武人や騎馬人物、船団などが線で刻まれており、当時の葬送儀礼や社会背景をうかがい知る貴重な資料となっています。

出土品には耳環・刀子・須恵器のほか、寛永通宝なども含まれ、江戸時代には一時的に博打場としても使われていたと伝えられています。

1号墳石室
2号墳

現在は宮が尾古墳公園として保存・整備されており、敷地内には横穴式石室の原寸大模型も常設展示されています。

また、毎年4月29日(昭和の日)には、実際の石室内部を一般公開しています。

レペ香編集部

興味のある方はぜひ、一般公開日に行ってみてください

石室原寸大模型
所在地香川県善通寺市善通寺町3214−45(善通寺大野原線沿い)
アクセス王墓山古墳から自転車で約7分

野田院古墳

善通寺市街地から南西に車で約10分。田園風景の中にひっそりと残るのが、野田院古墳(のたのいんこふん)。

全長約44.5メートルの前方後円墳で3世紀末ごろに築かれた、善通寺最古級の古墳とされています。

墳丘前方部分が盛り土をした後に表面に石を置いた2層に、後円部は石だけを積んで造った「積石塚」となっています。

埋葬部からは、鉄剣・鉄鏃・壺形土器・ガラス玉などの副葬品も発見されており、弥生時代から古墳時代への過渡期を示す考古学的価値も非常に高いとされています。

周囲は小公園として整備されており、散策道・案内板・東屋も設置されています。

所在地香川県善通寺市善通寺町字野田院(大麻山中腹)
アクセスJR善通寺駅から車で約15分

善通寺の“もう一つの歴史”に出会う旅

仏教と空海の町、善通寺。けれどその足元には、それよりもさらに古い時代の記憶がしっかりと残されています。

善通寺市立郷土資料館、王墓山古墳、宮が尾古墳はスポット同士が近く、自転車で回ることも可能

善通寺駅周辺にあるレンタサイクルを利用して巡ってみるのはいかがでしょうか?

どの古墳も町の中に自然に溶け込みながら、静かに語りかけてくるよう。歩いて、見て、想像して。あなたの中の「歴史スイッチ」が、きっとふっと入るはず。

お寺だけじゃない、“古墳のまち・善通寺”もぜひ歩いてみてください。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

目次